沼の王の娘。ヘルガのその後の想像話。 美しく邪悪な昼の顔。夜は蛙の姿の清らかな心。 そんな幼少時代を過ごしたヘルガ。
そんな自分の運命を憎むことなく、孤高の魂はすくすくと育ち、 ある雪の香りの冬の朝に、泥色の布をふわりと羽織り、 ビロードの肌を隠すように衿を立て、 両親にさよならも言わず、颯爽と旅立ったのであります。